第7章 魚人島
「なぁマルコ〜、菜々美やっぱり怒ってんのかなぁ、、、」
「…」
「知らないって言われたもんなぁ〜」
「…」
「流石にちょっとやりすぎたか?」
「…」
「おい!マルコって!!無視すんなよ!」
「うるせぇよい!さっきから!!」
「んなこと言ったってよ、俺いまお前しか話し相手いねぇんだから仕方ねぇだろ!」
そう騒ぐ馬鹿サッチはただいま仕置き中。
マストから逆さに吊られてかれこれ1時間程だ。
…喋る元気があるウチはまだ下さねぇ。
「大体よ、なんで俺だけ吊られたんだ。
元はと言えばあんな格好許したナミュールのせいじゃねぇか。
それにお前も菜々美の彼シャツ姿見て顔真っ赤にしてたくせに。」
「真っ赤になんかしてねぇよい!」
…サッチは帰ってきた瞬間ハルタとイゾウに縛り上げられて吊るされたから知らねぇだろうが、俺はイゾウから殺されかけた挙句、罰だと言われて今ここに居る。
…そう。この馬鹿を見張ることが俺の罰だ。
「ったく。なんで俺がこんな奴の見張りを…」
「ん?なんか言ったか?マルコ。」
「なにも。」
暇で暇で仕方ない上、コイツのせいで俺もこんな罰を受けていると考えるとサッチの顔を見るだけで腹が立つ。
それに当の本人はそんなことを知らないから余計にな。
…これを見越して俺にこの役回りをさせたあの2人は本当に変なところで頭が回る。
ハルタは間違いなくウチの中で1番の腹黒野郎だ。
それに対してイゾウは敵の尋問を任せると100%情報を吐かせる。
…どんな手を使っているのかは知らないが、味方で良かったと心から思う。
敵だったら絶対に捕まりたくない。
「ハァ…」
「あー…やべ、そろそろ頭に血が…ん?あれリュウグウノツカイじゃね?」
「あぁ、そうだな。
オヤジと菜々美だろうよい。」
リュウグウノツカイはフヨフヨと泳いできて、船のヘリに泊まった。
「ご苦労。明日も頼む。」
そう言って出てきたのはオヤジただ1人。
オヤジはリュウグウノツカイを見送ると吊られたサッチに気がついてこちらに歩み寄ってきた。