第7章 魚人島
「いや、やめておこう。
オトヒメ亡き後、魚人島を地上へ移すという目標がある以上、儂が犯罪者になるわけにはいかんのじゃもん。」
「グララララ、そうか。
王族ってのは大変だな。」
「お主もな。」
俺はネプチューンと同じように、アイツの盃を酒で満たした。
互いに盃を交わすと、一気に飲み干す。
【ニューゲート!
俺ァアルカナって奴に会ってみたかった!!
話してみたかった!!
そしたらよ…】
桃色の花びら舞う中で交わした言葉が蘇る。
…最後の言葉はなんだったか、、、
歳は取りたくないものだ。
言葉を思い出せない。
頭に浮かぶのは死ぬというのが嘘のような弾ける笑顔で語り、楽しげに飲むアイツの姿だけ。
…ロジャーよ。
お前が会いたがっていたアルカナは菜々美じゃねぇのか。
そうなら、お前にゃやれねぇな。
お前はおでんを連れて行ってしまったように、菜々美も攫っていってしまいそうだ。
菜々美はいつまでも俺の娘だ。
誰にもやらねぇ。