第7章 魚人島
「失礼いたします!」
ネプチューンと酒を飲み交わしながら互いに尽きない話題を語り尽くしていた。
そこに彼奴の部下の声が響く。
「白ひげ殿。先程菜々美さんがお見えになりました。
しらほし姫のお部屋にいらっしゃいます。」
「ん、そうか。報告ご苦労。」
「は、それでは私はこれで…失礼致しました。」
そう言って音も立てずに去る部下。
其奴が部屋から出ると、目の前の友が口を開いた。
「1日で随分と仲良くなったようじゃもん。」
「あァ、そうだな。
…娘の交友関係が広がるのは嬉しいもんだ。」
「あぁ。」
ガブガブと盃の中の酒を飲み干した。
ここの酒は美味い。流石ネプチューンの選んだ酒だ。
「答えたくなければ別に構わんのだが、、、」
ネプチューンが酒瓶を此方に向けながらそう話す。
俺は無言で盃を掲げ、続きの言葉を待った。
「…アルカナとは、一体なんなのじゃもん。」
アルカナ…
昨日ジンベエとネプチューンには話したな。
…ロジャーとも友人だったコイツになら、話そう。
「…アルカナってのは、お前の言う通り、全てが謎のまま死んだ男のことだ。
いや、殺されたんだ。」
「…世界政府か?」
「あぁ。
…ロジャーの野郎は世界の全てを知った。
勿論、お前の娘が古代兵器かもしれねぇっとこともな。
だが、アルカナのことはアイツですら知り得なかった。
ガープの馬鹿がロジャーに喋ったせいでロジャーの耳に入ったが、世界の全てを知ったロジャーもわからなかった男だ。」
菜々美と共にいる人魚姫がポセイドンである可能性が高いことは知っている。
最後に呑んだ日にロジャーが俺に言った。
…あの日、ロジャーは多くを俺に語った。
ラフテルへは興味はなかった上、兵器も必要ではなかった。
だが、あの日の話で俺の中に響いた話題は2つ。
"Dの意思"
そして"アルカナ"
「…これ以上聞くと罪人になるが、、、どうする?
お前が望むなら俺は話すが。」
そう言ってネプチューンが注いだ酒を一口飲み、俺も酒瓶を掲げる。
ネプチューンは盃を此方に向けた。