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黒と白と、赤と、、、【ONE PIECE】

第7章 魚人島


開いた扉の隙間からギラリとふたつの光が扉の外に見える。







『あ、』








それらはものすごい速さでこっちめがけて飛んでくる。








「菜々美様!お逃げ下さい!!」

『しらほしも!』

「わたくしは逃げられません!あれはわたくしめがけてどこまでも追いかけます!!」

『そんな、、、』











ヒュルルルル











っ!もう、、、












私はしらほしの尾びれにぎゅっと抱きついて固く目を瞑った。
私の小さな身体なんかじゃ到底庇うことなど出来ないけど、しらほしを置いて逃げるなんてできなかった。













ガキン!ガキン!!ーーーガシャン!!!











「ぁ、」









「しらほし!無事か!?」

『菜々美!怪我はないか?』











「ふえぇ、、、フカボシお兄様ぁ〜」

『ビスタ、兄さん…』









そこには息を切らし三叉の武器を携えたフカボシ王子様と2本の剣を抜いているビスタ兄さんがいた。

私は力が抜けてその場に座り込むと、恐怖で引っ込んでいた涙がぶわりと溢れて視界を埋めていく。


フカボシ王子様はしらほしに、ビスタ兄さんは私の方へ駆け寄り、怪我はないか確認していった。









「うわぁぁぁあん!!フカボシお兄様ぁ〜!
怖かったぁ〜〜〜!!!」

「すまない。怖い思いをさせた。もう大丈夫だ。」

「うぇぇぇぇぇえん!!!」



「菜々美、怖かったろう。
…しらほし姫を守ろうとしてたんだな。」

『ック、、ぅん、、、でもね、なにもでき、なく、て、ね、、ひっく…』

「そんなことはない。
ここに留まるのにもとても勇気が必要だった筈だ。
もう大丈夫。よく頑張ったな。」

『っ、うぅ、ビスタ、兄さん、、、わあぁ!!』












甲殻塔には私としらほしの泣き声がしばらくの間響いていた。

その間も2人の兄は何も言わずにじっと私たちを包んで、安心させるように背を撫でてくれていた。
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