第7章 魚人島
「菜々美殿、しらほしは、、、妹は少々怖がりですぐに泣いてしまうのですが、泣いてしまったとしてもそんなに気に病まないでください。」
『しらほしさんって言うんですね。わかりました。』
「しらほしは私たちの自慢の妹。
身内の欲目かもしれませんがとても美しい人魚です。
…ただ、訳あって海賊に命を狙われ、外にはほとんど出しておらず、、、」
『…そうなんですね。』
私はマンボシ王子様とリュウボシ王子様にシャボンを押されながら、フカボシ王子様とお話しする。
ふよふよと海の中を泳いでいくと、一際大きくて頑丈な扉が見えた。
『え…』
そこには大きな斧や剣、ナイフなど、さまざまな凶器が刺さっていて、物々しい雰囲気が立ち込める。
「…マンボシ、リュウボシ、扉の前で少し待て。」
「「はい!兄上!!」」
「では菜々美殿、入りましょう。
初めは私がしらほしに説明致します。」
『…あ、、、お願いします。』
ギィ…
「しらほし。私だ。入るよ。」
「!フカボシお兄様!!」
『!?』
ドアが開くと父さんよりも大きな人魚姫。
ピンク色の髪の毛がふわりと広がり、嬉しそうに頬を赤く染めてにこにこと嬉しそうにこちらを向く。
と、私の方に気が付いた。
「あ……お兄様…こ、ここ、、こちらの方は…?」
「あぁ!しらほし落ち着いてくれ!!」
「どちら様でございますか…?っ!」
みるみるうちに大きな瞳を潤ませて今にも泣き出しそうだ。
「しらほし、大丈夫だ。
こちらの方は白ひげ海賊団の菜々美殿。
歳はお前の3つ上。長いこと歳の近い女子と話す機会などなかっただろうと、ここにいる間お話相手になってくれるそうだ。」
『あ、えっと、、黒咲菜々美です。…しらほし姫様。』
「白ひげ海賊団の…」
「あぁそうだ。白ひげ海賊団の皆さんがいつも私たちを助けて下さっているのは知っているだろう?」
「はい…
ご挨拶が遅れて申し訳ありません。
しらほしと申します。」
『あ、いえ、、そんな、、、』
「それでは私はこれで。
あとはお二人でどうぞお話しください。」
そう言ってフカボシ王子様は静かに部屋を出て行った。