第2章 目覚めた先は
「オイ、マルコそりゃぁ、、、随分と物騒なモンつけてんじゃねぇか。」
「海兵の能力者ならいけねぇと思ってねぃ。」
「だがよぉマルコ。
それだけの密度の海楼石なら、能力者は殆ど動けねぇ。
その嬢ちゃん、普通に立って歩いてるとこ見ると、多分能力者じゃねぇだろ。外してやれよ。」
「まぁ、それもそうだねぃ。…サッチ。」
頭の重たそうな人、、、サッチさん?は私の手錠を外してくれた。
重たいものがなくなって随分楽だ。
「で、小娘。お前は何者だ?」
大きな人はそう言う。
何者、、、
『…わかりません。…何も、覚えてないんです。』
「さっき少しだけ診たが、コイツは恐らく自分に関することだけ記憶が抜け落ちてるよい。」
私は涙目になりながら、俯いた。
私が分からないのに、この人たちがわかる訳がない。
ここで泣いても、どうしようもないのに。
頑張って涙が流れるのを堪える。
すると、女の人がノートと新聞を持ってこちらにやってきた。
「じゃあ、お嬢ちゃん、コレ、読めるかい?」
そうやって見せたのはノート。
裏表紙に誰かの名前が書いてある。
『…黒咲、菜々美。』
「なら、、、コレは?」
次に見せたのは新聞の見出し。
英語の新聞、、、
『…英語、ですね、、、A revolt happened in Mari island.』
「は?」
男の人の中の誰かが声を漏らす。
『…違いましたか?』
不安になって、目の前の女の人を見つめる。
多分この人なら通じそう、、、なんとなく、そう思ったから。
…女の人だし。
「いや、いいよ。意味は?」
『マリ島で反乱が起こった。ですかね、、、』
「…正解。」
「オイ、イゾウ。どう言うことだ。」
「…俺も今かなり混乱してる。……お嬢ちゃん。
ワノ国って知ってるか?」
『…知りません。』
「そうか。」
しんっと、重たい雰囲気が流れた。
居心地が悪くて、私はまた視線を床に投げる。
女の人も席に戻って、私はまた1人で震える足を見ながら立っていた。