第5章 新世界の航海
「そう言えばさ、菜々美まだ僕があげたダイアル付いた靴履いてないの?」
『あ!そうだ!!
ごめん兄さん、忘れてた!
あれさえあれば私だって早く走れる!!!待ってて、取ってくる!』
さっきまで動けないとか足が棒だとか言ってた菜々美。
ダイアル付いた靴の話をすると跳ねるように駆けて行った。
…本気出したらあと一周くらいできたんじゃないか?
「ん?なんだ??」
「あ、マルコ。」
船室から首を傾げたマルコが出てきた。
「菜々美、凄い勢いで走って行ったよい。
ランニング終わったのか?」
「うん。ダイアル付きの靴の話したら取ってくるって走って行った。」
「…あー……」
「ねぇ、そもそも菜々美ってダイアル知ってるの?」
「あぁ。前に少しだけ教えた。
そん時は手元にトーンダイアルとフレアダイアルしかなかったから、見たことがあるのはそれだけだよい。
「じゃあブレスダイアルは初めてか。」
『きゃぁああああああ!!!!』
「「!?」」
船内から急に聞こえた悲鳴。
その瞬間、僕とマルコは声の方へ全速力で走った。