第5章 新世界の航海
それからの日々というもの、菜々美は能力者や俺たちの特技なんかに興味を持ち始めた。
ほら、あそこでマルコが捕まった。
『ねぇねぇ、マルコ兄さん、不死鳥になって!!』
「ん?乗るのかよい?」
『いいからいいから!!』
「まぁ、いいが…」
甲板てマルコを見つけた菜々美は能力を発動させるようにせがむ。
大抵はそのまま背中に乗せてもらって少し飛ぶのだが、今日は飛ぶ気はないようだ。
マルコはいつものように能力を発動させて青い不死鳥へと変身する。
その様子を目をキラキラさせて見る菜々美。
すると、、、
ボフッ!
「「「!?!?」」」
『はぁ〜〜〜やっぱり…きもちぃ、、、、、』
「よ、よい!?」
菜々美がマルコの正面から思いっきり抱きついた。
青い炎に包まれて気持ちよさそうに顔を擦り寄せる菜々美。
その顔は幸せそうだ。
が、
「はーなーれーろーーー!!!」
『!サッチ兄さん!!なにするの!』
「なにするの!はこっちのセリフだ!!
お前、コレいくら鳥でもマルコだぞ!!!」
そんな様子を俺が黙って許す筈はなく、即座に引き剥がす。
この相手が犬や猫なら百歩譲って許そう。
だが、相手は不死鳥とはいえマルコ。男だ。
顔が赤くなってるこの鳥は後で俺が捌く。
『知ってるよ!
マルコ兄さんの背中あったかいけど、お腹の方が羽毛がふかふかしてそうだったんだもん!!』
「そう言う問題じゃねぇ!
誰彼構わず抱きつくな!」
『…サッチ兄さんのケチ………』
「な!?」
「「ぶっ!」」
菜々美は頬を膨らませて俺にそう言い放った。
それはそれは可愛くて仕方がないが、俺はケチと言われたのがショックで仕方がない。
…それと、今笑った奴後でマルコと一緒に捌く。
固まってる俺の横をスルリとすり抜け、菜々美は再びマルコに抱きつく。
マルコは伸びた首で後ろを向いて必死に何かに耐えていた。
『?マルコ兄さん熱い?顔赤い。離れた方がいい?』
「…や、、、気のせいだ、よい。」