第5章 新世界の航海
それからマルコ兄さんの部屋に行くと、一昨日は無かったはずの紙の束。
…どうしたんだ、、、
『…マルコ兄さん、これ、、、』
「あー、、、昨日ちと溜め込んじまってな、」
バツが悪そうに頭を掻くマルコ兄さん。
私が昨日お休みしたから迷惑かけて溜めちゃったのかも。
…今日は午後の運動はお休みだから、いつもよりも書類処理頑張ろう!!
私は意気込んで1番上の書類に手をかけた。
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『あ〜〜!やっっっと終わった!!!』
「…流石に疲れたよぃ、、、」
ぶっ通しで作業を続けること4時間。
やっと書類の山が消えた。
肩がバキバキに凝ってる。
『休憩…』
「甲板でも行くか?」
『行く。外、空気、、、』
マルコ兄さんと一緒に甲板へ向かう。
ん?
集中してて気がつかなかったけど、、、なんか廊下が傾いてるような、、、
『…マルコ兄さん、なんか、、、』
「…傾いてるねぃ。」
マルコ兄さんも気が付いたのか、不思議そうに首を傾げる。
念のため、と言ってマルコ兄さんは私の手を握り、注意しながら甲板へ向かう。
ガチャ
甲板への扉を開き、海の見えるヘリまで歩いていく。
ヘリに近づくとマルコ兄さんの手を握る力が一層強くなった。
『え、』
「あぁ。」
左側ーーー船の後方を見て私は唖然とした。
思わず船の前方の方を見るとやはり予想通りの海。
『え、これ、、、え?坂???』
「海坂だ。よくあるよい。」
『いやいやいや、、、』
船が坂道を滑ってた。
甲板に出て感じるが、いつもの倍は早い。
『よくあるって、、海に坂とかそんな概念あるの?』
「…そんな概念があるかは知らないが、海坂は新世界では割とある。
波に乗ってるならさして害はないよい。
放っておけばいい。」
『へ、へぇ…』
海は不思議だ。