第5章 新世界の航海
『ゔっ、、、』
最悪の起床。
ーまずい。なんで昨日気がつかなかったんだろう。
急いでトイレに向かうと、予想通り、月のものがきていた。
シーツを確認すると、幸いシーツにまでは至っていなかった。
ただ、どうしよう。
急に海賊船に乗ったことが頭の大半を占めていて、正直こんなことなんて忘れていた。
毎月くるもののはずなのに、、、
私は痛むお腹と腰を庇いながら、父さんの部屋の隣のナース室を訪れる。
コンコンコン
『菜々美です…』
「はぁーい、、、て、どうしたの!」
『あ、あの、、、生理が、きてしまって、、、その、生理用品、いただけますか、』
「あらあら、もちろん。ちょっと待っててね。」
快く迎えてくれたナースさんに頼んで必要なものを頂いた。
よかった。船の中に女性がいてくれて。
「辛そうね。お薬も一緒にあげるわ。どうする?ここで休んでいく?」
『いえ、、お邪魔ですし、自分の部屋で大人しく寝てます。』
「そう。冷やさないようにね。」
『はい。ありがとうございます。』
私は重たい体を引き摺るようにナース室を後にした。
『痛…』
痛みには波がある。
痛い時は本当に痛くて、吐き気すら覚える程だ。
私は近いはずの自分の部屋に行くのでさえままならなくて、途中の廊下で一度蹲って波が去るのを待っていた。
「ん?菜々美?」
あ、まずい。