第5章 新世界の航海
あの嵐の日から2週間が経った。
この2週間、私はマルコ兄さんの手伝いや船の雑用のお手伝いなどをしながら大分船に馴染んできた。
父さんが言うように、グランドラインは気まぐれで、嵐とまではいかなくても急に天候が変わったりすることは2週間のうちに何度もあった。
それ以外でも、顔見知りのクルーも増えたり、船の中の部屋も覚えてきて、すっかり馴染んできた。
「菜々美!今暇か?」
『うん!』
「悪いが、これ破っちまったんだが、直せるか?」
『あら、うん、これくらいなら大丈夫!
1時間もあればできるからちょっと待ってて。』
「おう!ありがとうな。」
「菜々美〜聞いてくれよ。
さっきマルコ隊長が計算ミスどうにかしろって怒られて俺またやり直し。
これで3回目だぜ?」
『あらあら…マルコ兄さんも忙しいから頑張って。
これ終わったら一緒に確認しようか?』
「頼む〜。
俺足し算はこの前菜々美に教わったからまぁできるようになったんだが、引き算がどうも苦手でよぉ。」
『慣れだよ。慣れ。』
「菜々美〜今日は3周半走るからね。」
『え!?昨日は3周だったのに!』
「うん。そろそろ増やすよ。」
『えぇ〜』
「えーじゃない。夕方でいいから待ってる。」
『はーい、、、』
こんな調子で私はだんだんこの船に馴染んできていた。