第2章 目覚めた先は
『…』
暗い。
ここはどこだっけ、、、
『痛っ!』
手のひらを床につけ、起きあがろうとしたら、手のひらに鋭い痛み。
そこを見ると包帯が巻かれている。
怪我したのだろうか?
ージャラ
手錠、
腕が重たいと思ったら、両手には太くて大きな枷。間は鎖で繋がっている。
足は自由のようだけど、目の前に柵がある辺り、ここはどこかの牢なんだろう。
で、なんだっけ、どうしてここにいるんだっけ、、、
「お、起きた。」
声が聞こえた方を向くと、何かを持った男の人。
偏見だけど、カツラ、重たくないのかな。
「よう、俺はサッチ。君のなまえは?」
『えっと、、、私は、』
私は、、、あれ、名前は、、なんだっけ、、
「おーい。大丈夫?なまえ、言える?」
『…わかりません。』
私はふるふると首を振る。
それを聞くと男の人はびっくりして、持っていた何かを置いて、走って出て行った。
わたしは、何をしてたんだろう。
なにか、大切な、、、なんだっけ、
「だーかーらー!記憶ないんだって!!」
「わかったって言ってるだろい!うるせぇよい!」
遠くからさっきの人の声が聞こえる。
それと、誰かもう1人いるみたい、、、
「…記憶がないんだって?」
『…』
この人、なんか怖い。
試されてるような、探られてるような、視線。
目を合わせられない。
「住んでた場所は分かるかい?」
『いいえ。』
「ここに来る前、何をしてたのかは?」
『覚えてません。』
「お前は、海兵か?」
『わかりません』
「家族は?」
『…わからない。何も、、、わからない、、、』
口に出したら、急に不安に襲われて、膝に顔を埋めて、ジワリと滲んだ涙を隠した。
「うわっ!マルコ泣かせた!
ごめんな〜お嬢ちゃん。怖かったな。ごめんなぁ。」
「…あと2つだけ、聞かせろよい。
今、力は普段通り入るか?」
『力?』
「あぁ。立ったり座ったり、跳んだりできるかい?」
私はその場で立って、ジャンプしてみせた。
手の自由を奪われているだけで、体に異常はない。