第4章 初上陸
『ありがとう、マルコ兄さん。』
「いや、いいよい。…どっか行きたいとこでもあるか?」
『ううん、ない!
マルコ兄さんの用があるとこについてく!』
「ハハッそうか。…あんまり面白くないかも知れないがいいのかよい?」
『うん!…あ!でも、昨日船の顔見るの忘れたから、みたい!』
「ん?モビーのか?」
『うん、鯨の形してるって聞いたから、、、』
「あぁ。そういたことか。いいよい。先に見てから行こう。」
『やった!』
マルコ兄さんはへらりと笑って、階段へと向かう。
長い長い階段を降りて、船首の方へと行くと、だんだんと船の全貌が見えてきた。
『わぁ…本当に大きい……』
「だろぃ?」
マストは3本もあって、それぞれに大きな帆が四つ。
真下からは見えなかったけど、それぞれの上に見張り台がついていて、てっぺんには父さんの海賊旗が誇らしげに揺れている。
そして、
『白い鯨さん。』
大きな大きな鯨の船首。
つぶらな瞳がかわいい。
口元は笑っているようにも見える。
「自慢の船だ。この船は本船だが、他にもモビーには3隻の兄弟船があるんだよい。」
『3隻も!?』
「あぁ。内装はほぼ同じだ。少しサイズが小さいが、、、まぁ、よく見ないとわからねぇくらいだよい。」
『すっごい。』
やっぱり、船の外から見ると一段と大きく見える。
私、こんなに大きな船に乗ってるんだ。
「…そろそろ行くかよい。」
『うん!』
私はマルコ兄さんの隣について街へと繰り出した