第4章 初上陸
「マルコ、菜々美は、、、」
「…わからない。
恐らくだが、記憶に関することがきっかけで酷い頭痛を起こしたのかもしれないよい。」
「っ、じゃあ、菜々美は起きたら記憶が戻ってるのか!?」
「いや、
なんらかの形で記憶に触れたのは確かだが、、、それ以上は菜々美にしかわからない。」
人の頭を覗くことはできないからな。
俺がそう言うと、全員が黙り、酷く静かになった。
「マルコ…」
「オヤジ、、、」
後ろを向くと、いつもと変わらないように見えるオヤジの姿。
しかし、その瞳は今までにないほど揺れていて、心配で満たされた目をしていた。
「これから菜々美はどうなる?」
「…今はおそらく気を失ってるだけだ。しばらくしたら起きるとは思うが、、、
起きた後、どんな状態かは想像がつかない。」
一部記憶が戻っているかもしれないし、また全てを失っているかもしれない。
「とりあえず今夜は俺が診てるよい。」
「…いや、俺の部屋に寝かせておけ。
何かあればすぐに呼ぶ。お前はその前にティーチから詳しい話を聞いてこい。」
「…わかったよい。
ティーチ、ちょっといいか。」
「…あぁ。」
俺は腕の中の菜々美をオヤジに預け、周りの奴らに適当に片付けておくように言った後、ティーチとデッキに向かった。