第4章 初上陸
「オイ!菜々美、どうしたよい!」
『っ、あぁ!、、、っ!』
「話してたら急に頭押さえて、、、」
ダメだ。
体が考えるなと、思い出すなと、警告している。
わかった、もうやめる、もう入っていかない、、、わかったから、、
何度も何度もそう訴えても、止まない痛み。
どうして?
「菜々美!
考えるな。思い出そうとしなくていい。」
わかってる、そうしてる。
でも、痛い、頭が割れるように痛い。
「菜々美、俺を見ろ!
誰かわかるか!?」
わかる。
わかってる。
この声は、この暖かい手は、、、
『マルコ、兄さ、ん、、っあぁぁぁっ!』
兄、さん?
兄さんは、私の、兄は、、、、、
『やだ!わかんない!』
ちがう。
ちがわない。
『マ、、コに、さん、、こわい、』
「大丈夫、大丈夫だ。
オヤジも俺もみんなここにいるよい。」
もう、、、なにも、わからない。
『っ…』
「菜々美!」