第4章 初上陸
「じゃあひとつ質問だ。
菜々美、
アルカナって、知ってるか?」
『?アルカナ??…知らない。』
「…そうか。
……それなら、、、
アメリカ、と言う島はどうだ?
これはアメリカと読むんだろう?」
ティーチ兄さんが持つ古い黄ばんだ紙にはアメリカと書かれている。
それ以外のところはティーチ兄さんがうまく隠してて見えないけれど、随分と古い紙のようだ。
「もう随分と前の話らしいが、アメリカから来たって言う男がいたらしい。そいつは読み書きはできるが言葉が全く通じなかったそうだ。
そして、今話している言語はニホンゴだと言ったらしい。
なぁ、菜々美。
お前、一体何者だ?」
ティーチ兄さんからは笑顔が消えていた。
だけど、その目は不審者に向けるような、私を初めてみたマルコ兄さんのような警戒の目ではなくて、もっとこう、、、嫌な、私を見ているようで、まるで見ていないような、、、そんな目だった。
私が知らない私を、ティーチ兄さんは知っているようで、自分の内側を探られているようで嫌だ。
さらに、
アメリカ、、、ニホンゴ、、、
耳から入ってきたその2つの言葉が私の頭をぐるぐると回る。
決して確信に迫る訳ではないけれど、私の中真ん中を避けてその言葉達は行き来する。
『っうっ!!』
あぁ、痛い。
アメリカって何?ニホンゴって何?
わからない。
目の前の瞳がさらに痛みを加速させる。
本能的に逃げ出したくなるこの目。
冷え切って、尚且つ私の中に踏み込んでくるこの瞳。
どこかで知っているきがする。
あ、ダメだ。
これ以上は、
『痛……あぁっ!!』
「…チッ、ダメか、、、マルコ隊長!!来てくれ!菜々美が!!!」
「何!?」