第4章 初上陸
すごい量になった荷物をみんなで運ぶ。
菜々美の部屋に行く途中、オヤジの前を通ると、思い出したかのようにオヤジが菜々美に声をかけた。
「菜々美…記憶のないお前に聞くのもどうかとは思うが、
この島を出た後の行き先をまだ決めてないんだ。
何か興味あるものとか見てみたいモンとかないか?」
無いなら適当にナワバリの島回るからいいんだが、
そう付け加えてオヤジは言う。
…確かに、記憶がないのに行きたい場所と言うのもなぁ。
でも、もし菜々美が気になるものがあるなら興味あるな。
『…うーん、、、ごめんなさい、いまいち範囲が広すぎてわからない…』
「グラララ!気にするな!!急に聞いて悪かったな。」
オヤジはそう言ってくしゃりと菜々美の頭を撫でた。
と、
「オヤジィ!空島とかどうだ?」
「「!」」
「空島か…久しく行ってねぇな。」
『空島?』
どこからかそんな声が上がった。
確かに、空島なんかそうそう行けない。
菜々美も楽しいのではないか。
「魚人島は?」
下の方から声がした。
…サッチだ。
…魚人島か、、、アリだな。
馬鹿サッチの癖にたまには良いことを言う。
「魚人島もいいな。
そろそろネプチューン王にも会いてぇしな。」
「ジンベエからも何度か連絡来てたよい。」
『魚人島!!ナミュール兄さん!!!』
「あぁ。この前言ってたとこだ。」
ナミュールから少し話は聞いてたのか。
…空島に魚人島…どっちも喜びそうだな…。
「菜々美はどっちがいいの?」
僕は隣にいた菜々美に聞いてみた。
『うーん…空島ってやっぱり空にあるんでしょう?
空を飛びたいのは夢だし、、、でも、魚人島も捨てがたい…
人魚さんたちみてみたいし、あぁ!迷うなぁ、、、』
くるくると回りながら迷ってる。
どっちに決めるのかな…。