第4章 初上陸
それからも隊長たちのプレゼントは続き、菜々美の周りは贈り物の箱や袋で溢れてる。
贈り物が増えるたびに驚いて、何度も、本当にこんなにもらっていいの?って言って、控えめにお礼を言う菜々美。
…流石に全員から一気には困ってるか。
今度からは何人かずつとかの方が気にしなくていいかな。
それでも、袋の中身を開けると花のような弾けた笑顔を向けてくれる。
あーーー、また何かあげてこの顔が見たいと思う僕はもうダメなんだろう。
そんな自分に苦笑しながら、中心の菜々美を見つめる。
「お嬢、俺からは髪飾りだ。」
そう言ってイゾウの手から渡されるのは白を基調とした華奢な花の髪飾り。
繊細なデザインから質の良さが窺える。
イゾウはこういう小物系を選ぶのが抜群にうまい。
早速菜々美はそれをつけてもらっていた。
小さな白は艶やかな黒をより引き立たせる。
とても似合っていた。
「菜々美、宝石とかは買わなかったんだろう?
これ、やるよ。島で加工してもらったんだ。」
そう言ってジョズが取り出したのはダイヤモンドのネックレスと耳飾り。
それに気がついた菜々美は驚いて、こんな高価なものは貰えない!って言ってる。
まぁ、そんな心配はないんだけど。
ジョズの能力でいくらでも出せるから、加工代だけで、金の心配は無用だ。
それを知るみんなに押し切られて、身につけると、光がキラキラと反射して顔まわりが一段と明るく見える。
ダイヤモンドならほぼ壊れることはないからいい。
「菜々美、俺からはお前専用の筆記具だよい。
これから手伝って貰うなら必要だからねぃ。」
流石長兄。1番実用的で菜々美が気兼ねしない贈り物だ。
たしかに、マルコの手伝いするならそれは必要な物だ。
箱に綺麗に並べられ数本のペンは、いつもマルコが使っているメーカーと同じで、手の小さい菜々美用にオーダーしたらしい。
僕はそんなに拘らないからわからないけど、マルコ曰く、ここのメーカーのペンが1番使いやすくて長く持ち、さらにはずっと使っていても疲れないらしい。
菜々美は数あるペンの中でもやたら羽ペンに興奮していた。
カッコいいんだって。
菜々美のいたところでは使わないのかな?