第4章 初上陸
「絶対菜々美が持っていった方がアイツら喜ぶから!
ほら!行った行った。」
『わっ、』
サッチ兄さんにお皿を持たされて背中を押された。
私の手にはがんもどき多めのおでん。
確かコレはイゾウ兄さんの好物だ。
『イゾウ兄さん。』
「どうした?」
『あのね、いつもお世話になってるから、、、島でがんもどき買ってきたの。
それで、サッチ兄さんと一緒に、、、いや、サッチ兄さんがほとんどやってくれたんだけど、少し私も手伝ったから、よければ食べて?』
うぅ、、、なんだか自分で言うと恥ずかしいな。
「本当か!俺、おでん好きなんだよ!
それに、がんもどきなんてよく知ってたな。」
『島でビスタ兄さんが教えてくれたの。』
「そうかそうか。いただくよ。」
イゾウ兄さんはニコニコと笑いながらがんもどきを一つ頬張った。
どうかな。
サッチ兄さんと作ったから大丈夫だと思うけど、、、口に合うかな、、
「!美味い!!」
『本当!!』
「あぁ!サッチが作るのよりもうまいぞ!」
『それは言い過ぎでしょ。…でもよかった。お口にあって。』
「いや、本当に美味いぞ。
わざわざありがとうな、菜々美。」
『っへへ、』
イゾウ兄さんは満面の笑みを浮かべて、私の頭を優しく撫でてくれた。
嬉しくてついつい笑みが溢れる。
「あっ!イゾウいいな!菜々美!!僕のは?」
『ハルタ兄さんのもあるよ!まってて、直ぐ持ってくる!』
そんな調子で隊長さんたちの好きな食べ物を配って回った。
みんな美味しいって言ってくれて、笑ってくれた。
私もとっても嬉しくて、楽しくて幸せだ。