第4章 初上陸
『っ!できた!
あとはマルコ兄さんのだけだね!』
「お!菜々美は料理もできるんだな〜
覚えが早いぞ!」
『へへ、そうかな?』
「あぁ!覚えてないかもしれないが、きっとここに来る前は料理もやってたんだろうな!」
『あー、、、どうだろうね〜
さ、マルコ兄さんの作ろう!パイナップル好きって聞いたけど、まずコレ剥かないと。
どうやって剥くの?』
記憶のことを話すのはまだ少し苦手で、目の前にあるパイナップルに話を変えた。
パイナップルか…何作るんだろ、
「あー、マルコか…
いや、マルコはそのままでいいよ。
アイツ、パイナップル皮のまま食うんだ。」
『え?』
「信じられないだろうが、マジだ。」
『え…コレ、硬いよ?』
「あぁ。」
『食べれるの?』
「いや、普通は無理だ。」
『…マルコ兄さんって、、、うん。
…サッチ兄さん、本当の本当?』
「あぁ。俺も初めてみた時本気でビビった。
まぁ、そのまま渡してみろ。バリバリ食うから。」
『う、うん…わかった。』
結局、マルコ兄さんのパイナップルはそのままになった。
マルコ兄さんって、語尾は変だけど、この船の中ではいつも私を助けてくれたから普通の人だと思ってた。
…やっぱり海賊船だからかな、、、私の中での普通の人っていないのかもしれない。
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「野郎共!島へ辿り着き無事航海を終えたことと、菜々美の島初上陸を祝して、、、宴だァ!!!」
「「「ウォォォ!!!」」」
雄叫びと共に始まった宴。
私は2回目だけど、サッチ兄さん曰く、なにかと理由つけてただ騒ぎたいだけらしい。
早速みんな大量の料理とお酒をお腹の中に収めていく。
あのうるさい真ん中らへんに行ったら飲まされそう。
お酒の飲めない私は静かなところで野菜スティックをポリポリと食べていた。
「菜々美〜。」
『あ、サッチ兄さん。どうしたの?』
「ほら、コレ、アイツらに持っていってやれよ。」
サッチ兄さんの手の上にあったのはさっき二人で作ったみんなの好物たち。
あれ?あそこのご飯が並んでるとこに一緒に並ばなかったのかな?