第4章 初上陸
『ねぇ、兄さん。
それとね、私父さん達にも何か買って帰ってあげたいの。
父さんから貰ったお金で買うっていうのもなんだか変だけど、、、迷惑じゃないかな、』
「迷惑な訳あるか!オヤジ、絶対喜ぶぞ。」
『本当!うーん、でも、父さんが好きなものまだよく知らない…
ビスタ兄さん、何か知ってる?』
「オヤジが好きなものと言えば酒一択だ!
とびっきりいい酒買って帰ってやろうな。」
『うん!』
そうして、父さんや兄さん達の好きな食べ物とかをビスタ兄さんに教えて貰いながら、父さんから貰ったお金が無くなるまで食品売り場を回った。
ビスタ兄さん本人は何度聞いても教えてくれなかったから、隠れてピンクの薔薇を中心に据えた、かすみ草などの花束を買った。
ピンクの薔薇やかすみ草の花言葉は、確か【感謝】だった筈だ。
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『ただいま!』
「「「おかえり!!」」」
「グララララ、ちゃんとやった金は全部使ってきたんだろうなァ。」
島に着いたその日は宴をする、というのは本当だったようで、父さんも甲板に出て座っていて、みんなも宴の準備をしていた。
『うん!沢山お買い物できたよ。
父さん、ありがとう。』
「グララララ、そうかそうか。」
『でもね、やっぱり必要なもの買い終えても沢山余っちゃって、、、だから、今夜宴するって聞いて、その食材とかも買ってきたの!
みんなで食べてね!!』
「あァ?テメェのモンは買わなかったのか?
宝石でもなんでも買えばいいだろう。」
『うーん、そういうのは要らないかな。』
「グララ、欲のねぇ娘だ。」
『そうかな?…あ、この食材たち、サッチ兄さんに渡して来るね!』
「あぁ。行ってこい。」
私は走ってサッチ兄さんを探しにいった。