第11章 第九夜
ザアァァー
ザアァァー•••
寄せては返す波。
それを横目に 俺は海岸を進んでいた。
もう少し進めば 崖が見える•••はずだ。
かつて•••数百年前に神殿があった場所。
俺が死んで、生き返った場所。
ここで もう一度••••••
崖まで登って、俺は自分の足に ロープを結びつけた。
別にMじゃないからな←ココ重要!
ロープの先には 大きめの石が固く結ばれている。
このまま ここから落ちれば、きっとしばらくは上がって来れないだろうな。
少なくともロープが切れるまでは。
ココは 波が荒くて ダイバーも 魚もいない 一種の「死の海域」ってやつだ。
だから、人に気づかれることはない。
多分 俺は死ねないから、シロの手が 俺に届かないように身を隠すしか アイツから逃れる方法が考えつかなかった。
その方法がコレ。
うーん、自分でやろうとしといてなんだけど•••
怖いな。
俺は 一度深呼吸して、重い石を抱えたまま 崖から身を踊らせた。
バシャーーン••••••