第10章 第八夜
シン「•••聞いてない。」
俺は 息を吸った。
心臓が煩いくらいに暴れていて、めまいがする。
聞かれてない。
ばれてない。
俺の汚い過去は まだ知られてない。
青い顔になっているであろう俺を 心配してくれたのか、ぽすん と隣に座ったセトが、俺の手を強く握った。
セト「まだ•••続きがあるっす。」
続き?
コノ「カイトが倒れてから シロってひと•••逃げちゃったんだ。」
『え、逃げた?』
話の展開について行けず、首を傾げる。
説明は 皆から話を聞いてまとめてくれていたらしいキドがすることになった。