第9章 第七夜
歩くスピードを落として、「誰か」との距離を縮める。
対して 「誰か」の足音は、俺たちを追いかけるように、その速度を上げていった。
ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ••••••
足音が消える。
振り向けば そこには1人の少女が立っていた。
年の頃は15、16ほどだろうか。
白い肌 白い髪 身につけたひざ下までの長さのワンピースも真っ白。
ただ、目だけがアカく光っていた。
クロ「•••誰だ?」
誰•••?
違う。
知ってる。
俺は この少女を知っている。
彼女は•••••ッ
?「久しぶり、カイト」
そう言って、彼女はにっこりと笑った。
花が綻ぶような笑顔。
その笑顔が 俺にはとてつもなく恐ろしく見えた。