第8章 第六夜
「自分を持ってはいけない。」
「自分を大切にしてはいけない。」
「自分を信じてはいけない。」
•••だって俺は バケモノだから。
そう思って 何百年も過ごしてきたのに•••
『ははっ•••なにそれ•••』
そう思って 「ここ」でも過ごそうと思っていたのに•••
俺の くだらない「ルール」は、こいつらの一言で壊れてしまうほど脆かったのか。
それとも•••壊れることを 俺が望んでいたのか。
カノ「僕たちはみんなカイトにいちゃんのことが大好きなんだから、そんなに気を使ったりしなくていいんじゃないかな。」
俺を放したカノが、いつもどおりのヘラヘラ顔で言う。
セト「そうっすよ、隠し事なんて水くさいっす。」
『隠し事?』
そんなのしたっけ?と考え、思い出す•••••うん、もしかしたら アレか?今日の男子会が ホントに男子ばかりだったのが 誰か=(マリーたち の仕業であるという信じたくない妄想をしたくだりの話か?
いや、あれは 本当に妄想だから•••きっとそうだ、うん。
クロ「カイト?」
ヒビ「お兄さん?」
コノ「•••大丈夫?」
急に黙り込んだ俺に 3人が問いかける。
シン「•••まぁ、とりあえず もう少し 肩の力•••抜いていいんじゃねーの。」