第8章 第六夜
夕食も終わり、俺たちは わいわいと くだらない話で盛り上がっていた。それこそ、何を話したか覚えてないくらいのくだらない話だ。
『ふぁ•••ぁ』
セト「もう 眠くなったんすか?」
小さく欠伸を漏らした俺に セトがたずねる。
『•••••ん〜ん、別に?』
ここで 眠いなんて言ったら 空気が壊れるかもしれないし•••
俺は とっさに笑顔を貼り付けて 首を振った。
自分なりには上手く誤魔化せた•••と思ったんだけど。
『あの•••カノさん?』
いきなり 俺に抱きついてきたカノに、軽く引きつった笑顔を向ける。
首に腕を回されているから 微妙に苦しい。
『カノ•••?』
カノ「•••カイトにいちゃんは ヒトのこと 気にしすぎだよ•••」
『はぁ•••••?』
唐突に呟かれた言葉に、俺の口からは ヘンな声が漏れた。
クロ「まぁ、それは言えるな。」
頷くクロハの隣で、例の 黒色炭酸飲料を手に、シンタローが言う。
シン「お前は もっとワガママになってもいいんじゃねーの?」
ワガママに•••?
ああ、きっと俺 今 すごいアホ面になってる。
そう 思ってしまうほど、シンタローの言葉は 俺にとって衝撃的なものだった。