第6章 第五夜
シン「•••••」
白い液体の処理は 既に終わった。
カイトも もういない•••
さっさと部屋から出て行けばいいのに•••この部屋を出たくないなんて。
理由は 解ってる。
俺は あいつとヤった余韻を、まだ感じていたいんだ。
『俺が 抜いてやろうか?』
シン「っ•••••!」
カイトの声を思い出す。
それだけで 肌がゾワリと泡だつような感覚が 俺を包みこんで•••腰が砕けた。
シン「た、立てない。」
俺は 部屋から出ることを諦め、床に座り込んだ。
シン「はぁ•••」
なんで•••抜いて欲しいなんて言ったんだろう。
俺は 男で、あいつも•••男•••なのに。
シン「はぁ•••」
溜息をついて、その後 俺は唐突に理解した。
俺は•••
シン「カイトのことが好きなのか?」
そう呟いてみると、俺の顔は 瞬く間に上気した。
シン「ウソ•••だろ?!」
嘘だと 思い込もうと、暗示をかけてみる。
•••••ムリだ。
余計にカイトのことを思い浮かべてしまう。
シン「ああ、もう わかんねーよ。」
ホント 頭に来る。
俺は あいつが好きなのか?
男なのに?
『いい鳴き声』
シン「ぁっ•••!」
はぁ、もうダメだ。
思い出すだけで 腰が砕けるとか•••それも2回も。
シン「どんだけ 俺•••。」
ああ、もう 信じらんねー。
でも•••
俺の心は 間違いなくカイトを求めていて•••••
シン「末期症状•••か。」
カイトが欲しくて堪らない。
シン「もう•••諦められねーみたいだな。」
俺は しばらく自嘲気味に笑いながら•••••
カイトに「恋」をする覚悟を決めた。