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灰色噺〜ハイイロメモリーズ〜 『カゲプロ』の話

第6章 第五夜


『セト〜、いる?』

入り口から 声をかけると、「いるっすよ〜」と 返事が かえってきた。

入るよ、と言って扉を開けると、寝る準備を しっかりと終わらせたセトが ベッドに 腰掛けている。


『今日 一緒に寝てもいい?』と 聞くと、セトは 満面の笑みで了承してくれた。

部屋に入り ベッドに潜り込むと、正面からセトから 抱きしめられた。



『セト•••?どうかしたのか?』

セト「•••••••さみしかったっす。」

セトは しょんぼりした顔で、俺の首筋に頭をこすりつけてくる。

髪が くすぐったい•••と思ったが、俺はセトの 頭を撫でながら、もう片方の手で セトを抱きしめかえした。


『ゴメンな、約束守れなくて。』


また 明日遊ぼうという、些細で大切な約束だ。


セト「ホントっすよ、ちゃんと 埋め合わせは して貰うっす。」


軽口をたたきながらも、セトの声は震えていた。


『ホントに•••ゴメン。』


そう言って セトを抱きしめる力を 強くすると、セトが 唐突に 呟いた。

セト「•••••好きっす。」

『えっ?』


顔を 上げた セトの目は、この上なく真剣で•••俺は まるで、魅入られたように 動けなくなって•••

セト「カイトにいちゃんのことが•••好きっす。」


『っ•••••••••!?』


唇に触れた 柔らかい感触を いつのまにか 受け入れていた。

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