第5章 第四夜
カノ「そういえば、シンタロー君たちは?」
キド「ああ、少し出かけると言っていたな。 そろそろ かえってくると思うが•••••」
シン「た、ただいま•••••••」
セト「噂をすれば•••••っすね。」
3人がアジトの入り口に向かうと、シンタローと 携帯画面から顔を出すエネ、そして、見知らぬ少年がそこに立っていた。
カノ「あれ、お客さん?」
カノは、待ってましたとばかりに ニヤつく。
キド「シンタロー、そいつは?」
シン「あー、多分 目の能力があるヤツ なんだけど。」
キドは、シンタローの言い方に 首をかしげたが、すぐに 少年に目を向けた。
キド「おまえ、名前は?」
少年は、驚くほど にこやかに言葉を返す。
『俺はカイト よろしく。』
キド「っ!?カイト•••••だと?」
『? ああ。』
セト「キド?」
カノ「どうかしたの?」
後から出てきた2人も、キドにそう問いつつ 動き止める。
『•••••え、何?』
キド「カイトって、カイト•••••にいちゃん?」
『•••••ッ!その呼び方•••••つぼみ?』
カイトが そう呟くと、キドは ヨロヨロとカイトに近づき、フードの奥の頬に 触れた。
キド「ほん•••ものだ、ホントに•••ッ!」
キドはそう言うと、カイトに抱きついた。
キド「にいちゃん•••••カイトにいちゃん•••••!」
カノ「ホントに カイトにいちゃんなの?」
セト「•••••ッ、また 会えた?」
『おまえら、修哉と幸助か?随分成長してるな。全然わかんなかったよ。』
カイトが そう言って微笑むと、2人もカイトに抱きつき、3人そろって 泣き出した。
話についていけていないらしい シンタローとエネが、呆然と互いを 見あっていた。