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灰色噺〜ハイイロメモリーズ〜 『カゲプロ』の話

第5章 第四夜


?「キド••••• キド?」


肩を 揺さぶられ、驚いて目を上げると カノが心配するような顔で俺を見ていた。


キド「あっ ああ、なんだ?」



カノ「いや、なんだか ボンヤリしてたみたいだから•••••」



キド「そんなわけ ないだろう。」


顔を 逸らしながら 否定すると、カノは後ろを見ながら 口をひらいた。


カノ「いやいや、ボーッ としてたよね?セト。」


セト「してたっすね。」


セト いたのか、と思いながら二人を 横目で見る。


キド「•••夢を見たんだ、昔の。」


セト「夢っすか?」


俺は、軽く頷く。


キド「俺たちが まだ 小さかった頃に、三人だけで公園に 遊びに行ったことが あっただろう?」


カノ「ああ、たしか 知らない奴らに 殴られたんだっけ•••••」


カノが 少し 表情を曇らせる。が セトはそれとは逆に 明るく 言った。


セト「でも、その時 灰色の服を着た人が 助けてくれたんっすよね。」



キド「ああ••• なんでだろうな、会ったのも 話したのも 一回だけなのに、ときどき無性に 会いたくなるんだ。」


俺が 苦笑すると、二人も笑った。


カノ「僕も。」

セト「俺もっす!」



俺たちは お互いの顔を 見ながら笑いあった。



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