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灰色噺〜ハイイロメモリーズ〜 『カゲプロ』の話
第14章 第十夜、子ノ刻
『やめろよ』
「 あ?」
仔犬を庇うように、体をすべり込ませる影が 目にうつった。
その影は 丁寧な手つきで仔犬を抱き上げ、自身の着ていた灰色のパーカーに包みながら、俺たちに向かって歩み寄る。
『ゴメン、ちょっとこの子 見てて』
そう言った影…カイトは仔犬を俺の手に預け、踵を返した。
キド「カイト…にぃ」
俺のつぶやく声は、届かない。
彼は 驚きに竦んでいたその集団に動く隙すら与えず、おそらくリーダー格であろう少年の腕を掴み、微笑んだ。
『じゃま』
ボキッ……
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