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【呪術廻戦】愛され少女は特級呪霊

第1章 孤独な蠱毒


〜 七海 視点 〜


自身で馬鹿な事をすると思った。
特級呪霊が、他の呪霊に喰われて消失するならそれでいいのに、
何故…助けてしまったんだろうか。

「 特級呪物だったのでしょ。此処で負ければ、貴方は何の為に出てきたのですか? 」

周りの呪霊は半分ほど倒した…。
地面に落ち、倒れた呪霊は動く様子はないが消えてないところを見ると死んでは無い。
声を掛けながら、向かってくる呪霊を弱点を作り出し7対3の割合で切る十劃呪法を使う。

この背後にいる特級呪霊相手なら、瓦落瓦落を使おうと思ったが…
こっちの雑魚の方ならそれを使うと校舎が崩れるリスクがある。

無駄に数が多いと思っていれば、背後で密かに動く音が聞こえ、視線を向ければ呪霊の背中に亀裂が走る。

「( 羽化? )」

脱皮とは違った雰囲気の為に、眉を寄せれば他の呪霊達も、高まる呪力に怯えたのか動くのが止まった。

「 ん…… 」

そして、中から出てくるのは今までの大きさとは不似合いな程に小柄で小さく、呪霊とは思えないほど幼い少女だった。

体液が付いた身体は、虫を繋げて出来たような殻から抜け出し、背中に生えた翅は、大きく淡い緑色の翅を持つ美しい鱗翅目の昆虫のよう。

「( 蝶?いや、蛾か… ) 」

どちらにせよ、大きな身体が小さくなった事で無駄に消失してた呪力が凝縮され、膨大な呪力を手に入れた事になる。

離れた方がいいと判断し、少し呪霊との距離を離す。

「 ギギッ!! 」

「 ギュァァーー!! 」

一斉に襲い掛かる呪霊に、羽化したばかりの少女は、片手を横へと振った。

「「 !! 」」

それはまるで蟷螂の鎌のように、呪霊は真っ二つに切れ、一瞬で灰へと変わり消えていく。

流石、蠱毒…喰らった全ての蟲の力を引き継いでるのだろう。

「( 襲ってくるなら、倒します )」

人の敵になるのなら、容赦はしないと思い鈍らを握り締めていれば、少女は色白の両手を空へと伸ばし、大きく背伸びをすれば、ぱっちりとした大きな目を開き、私の方を向いた。

ぱぁっと明るくなった顔色に、嫌な予感がする。

「 ママ〜!! 」

「 ……だから、違いますって 」

駆け寄って来た呪霊には、何一つ殺意は無く、私の身体へと抱き着いてきた。

五条さん…貴方、これが目的では?






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