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【呪術廻戦】愛され少女は特級呪霊

第8章 ※超えた一線




狗巻が来てから、お互いに手合わせさせていたのだが、彼は妃翠を本気で殴れないらしく、余り効果は期待出来ない。
其れなら私が二人を同時に相手した方が、いいと判断したが…。

「 17時になりましたね。帰りましょう 」

「 マッ? 」

妃翠の攻撃を避けた後、腕時計を見れば17時丁度に針の先端がある。
これ以上は付き合いたくないというのが正直な感想。

「 時間外労働は嫌いなので。狗巻くんも寮に戻ると良いですよ。妃翠、帰りますよ 」

「 ンーー。マッマッ! 」  

「 しゃけ 」

少し渋い顔をしたが、直ぐに彼へと片手を振り挨拶をし私の方へと駆け寄って来る。
肩のうさぎが反応しない辺り、持続して減そうとしてるのだろう、今の間に飲み込みが早くて宜しいですね。

角に置いていた彼女の制服を持ち、道場を出る前にお辞儀をさせ、駐車場に止めている自分の車へと向かう。

「 ママ?マンマ? 」 

「 えぇ、軽食ぐらいは食べましょう。帰ってからにしますが 」

夕食のような弁当のサラダは食べさせて居たが、動いた事で空腹なのだろう。
御飯を望む様子に頷けば、嬉しそうに笑顔を向ける。
腹が満たされれば機嫌がいいのは、人間の子供らしい。

車で家に帰り、高層ビルの一室にある部屋に入り、早々に軽食の準備をする。
彼女にはいつものようにサラダで構わない為に、その残りとトマト、レタス、玉子を挟んだ自分の分のサンドイッチを作る。

「 ムー! 」

キッチンからダイニングの方へと視線を向ければ、ソファーに座ったままウサギのぬいぐるみを掴み、睨み合いをしていた。
蹴られた事が気に入らないのか、其れとも呪力量を隠す練習が大変なのか……
此の場合は、両者だと思いますが。
そんな妃翠を見た後に出来上がった物を皿に乗せリビングへと戻り、
ソファー前にあるローテーブルへ置く。

「 ほら、食べるといいですよ 」

「 マンマ!ンー! 」

手を合わせる事を学んだ妃翠は、両手を合わせてから除菌シートで手を拭いた後フォークを掴み、サラダを刺しては口へと運ぶ。

その様子を見た後に、自身もサンドイッチを口へと含む。

こんな、サラダだけで満足してくれるのなら、気楽に過ごせる。





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