第7章 蠱毒の弱点
〜 じゅじゅプラス 狗巻 視点 〜
俺だけ、単独任務になってちょっと寂しかった。
そりゃ、前回一緒に行ったから真希達が次に任務をするのは分からなくは無いけど…。
「 妃翠、大怪我したらしいんだよねぇ。それも1級相当の呪霊に… 」
「 すじこぉぉぉお!!!? 」
「( 立ち去るのはやっ…… )」
五条さんに報告書を渡した後、直ぐに妃翠が居そうな場所へと向かった。
家入さんの場所には居なかったし、医務室にも姿が無かった、それなら何処に居るだろうかと走って入れば、真希達と出会う。
「 ツナツナ!いくら、うめ! 」
「 妃翠?妃翠なら、七海さんと夕食に食った後に修行を始めたぜ。なんせ、ボロ負けしたから強くなるんだってさ 」
「 負けてはないさ。とりあえずは勝ってる 」
負けたから、強くなる。
その意志は感心するけど、心配だから彼等に場所を聞いた後、礼を言ってから道場の方へと向かう。
「 うめ!!( 妃翠! )」
道場の扉を勢い良く開けてみれば、其処には肩にウサギのぬいぐるみを乗せて、白い道場着に着替えてた妃翠は目の前で、七海さんに蹴られた。
「 高菜!! 」
そんな容赦無く蹴らなくても!と思い咄嗟に後ろに行き受け止めれば、彼女はフッと息を吐き、俺の方を見上げてきた。
「 マァー!( とげー! )」
「 高菜? 」
「 ンマー! 」
笑顔で頷いたのを見て安堵すれば、態勢を整えてから俺も、彼女の横へと立ち同じ様に拳を向ける。
「 いくら…めんたいこ! 」
「 ママー!マンマン!! 」
「 二人揃って修行ですか?いいですよ。相手になりましょう 」
体術は苦手だけど、妃翠が学ぶなら俺もやろう。
相手はゴリゴリの肉体派の七海さんだけど、相手にとっては不足はない。
因みに妃翠の肩についてるウサギは一定量の呪力を使うと、怒るらしく
妃翠には攻撃の時に使う呪力量の配分を教えるみたい。
そりゃ常に放出状態なら、肝心な攻撃のダメージが少ないだろうね。
「 マフっ!! 」
「 おかか!! 」
容赦無くふっ飛ばされるのを見て七海さんにやり過ぎだと言っても、彼は無視をしてた。
本気だ……。