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【呪術廻戦】愛され少女は特級呪霊

第6章 語彙絞りペア


〜 五条 視点 〜


「 時間的にそろそろラストかな。乗り残しはない? 」

「 私、あれ乗ってくるぜ! 」

「 俺、パンダ。飛行機に乗る 」

最初は乗り気では無かった彼等も好きな遊具へと乗りに走っていけば、残ったのは妃翠と棘ぐらい。
七海はきっと、彼女が乗るのしか乗らないだろうから見てるだけだろうね。

逸れにしても、最初は棘とばかり遊具に乗ってたけど、七海が乗り始めて一緒がいいって事は、優先順位は彼女の中で決まってるようだ。

「 さて、棘と妃翠はなにを乗る? 」

「 いくら… 」

「 マーマー! 」

目線を外してチラッと妃翠の様子を見た棘は、分かりやすいね。
一緒に乗りたいのあるけど我慢してるように見える。
けど、今回は彼女は七海でなく棘の手を取り、袖を向けた。

「 ツナツナ 」

「 マンマッ! 」

「 良いじゃん。行ってらっしゃい 」

ニコっと笑った俺に、棘は少し照れたように頷き、彼女を連れて遊具へと向かった。

まだ乗ってなかったよな…観覧車。

二人が行ったのを見ていれば、七海は少しだけ溜め息を漏らす。

「 狗巻くん、理解してるのでしょうか。彼女が特級呪霊だと… 」

「 ちゃんと分かってるけど、抑え切れない感情ってのは有るもんだよ。俺は若さ故の失敗も有りと思う。棘が如何選ぼうが…それは棘の経験でしょ?俺達、保護者は見守るだけさ 」

「 そうですね…… 」

七海は、保護者だからこそ、心配って感じか…。

恐らく、棘が彼女に向け始めた感情は一言では言い表せないものだろう。
立場を理解しながら、抑え切れない感情も存在する。
それを戸惑ってるようにも見える。

一方の妃翠は何一つ理解してないから、二人の価値観の違いが傍から見ればよく分かる。

分かるからこそ、敢えて真希とパンダは二人の元から離れて遊んでいる。

この先、如何流れようと…二人次第だ。

「 マンマー! 」

「 楽しかったなら何よりです 」

「 そういえば七海。言葉を分かるようになったんだね? 」

「 いいえ、全く。只…態度で理解しようとしてるだけです 」

「( それを分かってるって事じゃないかな )」

七海も、まだまだ此れからだね。




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