第6章 語彙絞りペア
「 ねぇ、どうやったらジェットコースターみたいな巨大な遊具が真っ二つに切られた後に、粉砕すると思う? 」
「 知りませんよ。ゴタゴタした場所に妃翠を派遣したのが間違いでしょ 」
「 だけどさ、あの遊具…40億するんだけど!?…はぁーあ、ローン組めるかな。一括にしとこ 」
「 ………… 」
伊地知さんや運営者も現場を見て青褪めていた為に、どれぐらいの金額かは予測して無かったけど、高等に戻ってから二人の話を、報告書を渡した後に廊下で聞けば納得する。
「 ケホッ… 」
「 マー? 」
そんな金額なんて知らずに、大丈夫?と問い掛けてきた妃翠に頷いた後、一緒に家入さんの元へ向かう。
彼女は兎も角、俺の方は喉を見て欲しいから…。
今回の戦闘で分かったことは、妃翠を請求額が大きそうな場所に派遣しない方がいいって事と、戦闘をする時はこっちがフォローに回った方が早く決着が作ってことだ。
俺を、守ろうと動くのは嬉しいけど…
彼女を守れる人は現れるのだろうか。
特級呪霊とは言えど、呪力が込められたもので攻撃されれば死ぬんだからさ。
今はまだ、敵も弱いけど……。
「 マンマー 」
「 いくら、ツナマヨ( そうだね、ご飯にしよう 」
そんな事よりお腹空いたよな、
沢山動いたし…と頷いてから、家入さんの元へ急いだ。
〜 七海 視点 〜
遊園地の件は、何となくそうなるとは分かりきってた為に、行かせて大丈夫なのか?と不安だったが、それが見事に命中した。
ビルの時でさえ、残りの呪霊を倒すついでに解体工事が不要な程に壊したんだ。
ジェットコースター、一ヶ所だけという事は寧ろ誉めたいほど。
きっと、余り壊さないように…と釘を刺してなければ、
今頃、閉鎖どころか土地すら無くなってますよ。
「 妃翠の馬鹿力には参るよ…。場所考えないとなぁー 」
支払いを決済で終えた五条さんは溜め息を吐き、天井へと見上げた後、人差し指を出し笑った。
「 面倒くさいからあの遊園地買い取ったんだよね!高等の皆で行こうよ! 」
「 勝手に行ってください 」
「 妃翠の保護者は七海だろ〜?一緒じゃなきゃ 」
この人は、遊び場を作る為だけに遊園地を買い取るなんて…
何処からそんな金が出てくるのでしょうか