第6章 語彙絞りペア
「 止まれ!! 」
「 マァー!! 」
「 ググッ……! 」
妃翠に任せれば呪霊が居る場所は把握出来るし、直ぐに遭遇が出来た。
そして、俺が動きを止めれば妃翠はすかさず空気の鎌で呪霊を真っ二つに切る。
1度の呪力を込める量が多いのか、低級だが大型の呪霊でさえ、灰となり消えるのを見て、流石だと思うしやりやすい。
「 マー! 」
「 しゃけ 」
五条さんに゙ 上手く出来たらしっかり褒めてあげて。今が一番、学ぶ時期だから、褒められると伸びる子だからさ ゙と笑顔で犬の躾のような事を言われたが…
呪霊を倒した後に直ぐに駆け寄って来て、褒めてとばかりに来るから、そんな事を考えなくても褒めてしまう。
「 しゃけしゃけ 」
身長差で撫でやすい頭を撫でていれば、触覚は獣耳のように後ろへと下がり、大きな目は嬉しそうに閉じる。
可愛い…と素直に思えば、満足した妃翠は背中を向け、次の呪霊を探す。
呪霊を探す、倒す、褒められる、その繰り返しのような気がするけど、大事なんだろう。
後、ちゃんと話を聞いてたみたいで地面までも切ることないから、よく理解して学んでると思う。
「 ケホッ… 」
「 マァー? 」
「 高菜 」
雑魚ばかりだが、数が多い為に喉の負担が気になり小さく咳き込むば、心配気に此方を見る妃翠に大丈夫だと頷く。
呪言師は、その能力故に反動も大きいから長期間での戦闘は避けたい。
特に、自分より格上の相手に使う時は尚更ダメージも返ってくる。
「 マー 」
先を歩く妃翠の後ろ姿を見ながら、止めた時の事を思い出す。
領域展開を止めただけで、家入さんにお世話になるとは思わなかった。
゙ あの子は少女みたいな外見だが、特級呪霊って事は忘れるなよ。油断して、無茶をしたら殺されるぞ ゙
どんなに小さくても特級呪霊程の実力がある。
恵が傷一つ付けれなかった理由も分かるし、
五条さんだからこそ怪我をさせることが出来た。
それを忘れてはいけない…。
「 マァー? 」
「 おかか 」
特級呪霊…蠱毒。
綺麗な花には棘があるように
綺麗な虫には毒がある。
まぁ、クラスメートには変わりないけど…。