第6章 語彙絞りペア
〜 狗巻 視点 〜
妃翠と出会って3週間目ぐらい。
五条さんに任務を頼まれた為に、
俺と妃翠は一緒に補助監督の伊地知さんと新たな除霊へと向かった。
真希とパンダは別の場所での除霊があるし、根本的に戦闘スタイルが違うから分かれた行動も多々ある。
寧ろ、今回はパンダの役目を妃翠がしてくれるみたいだから、2人だけなんだろう。
「 聞いてる通り、今回は閉鎖となった遊園地での除霊です。立て続けに遊具が崩落し、怪我人が多数出た事による依頼ですので…出来るだけ除霊はしても、遊具は壊さないでくださいね 」
「 しゃけ 」
「 マァー! 」
「( 会話にならない二人。やり辛い…。五条さん、なんで話せる人がいないですか )」
走る車が楽しいのか外を眺めて、話を聞いてないような妃翠には、後から伝えようと思った。
受け取っている事前の報告書には観覧車の崩落、ジェットコースターでの脱線、メリーゴーランドの故障などある。
それも新しくオープンしたばかりの最新遊具が故障するなんておかしな話。
呪霊ぼんやりと見える一般の人は、変な影を見たとかニュースでもコメントがあった。
今はまだ、死者が出てないから良いけど、遊園地みたいな人が多い所に呪霊が出ると厄介だからな。
早めに確認して、除霊しておくのがベスト。
「 さて、着きましたよ。帳が私が降ろすので、後はお任せします。出来るだけ遊具は壊さないでくださいね…後々の請求額が怖いので 」
「 しゃけ。いくら めんたいこ 」
「 マァマー! 」
伊地知さんの言葉に頷き、遊園地を見て楽しんでる妃翠を呼んでから、一緒に中へと入る。
一時、ニュースで連日取り上げられていたけど、
今日は高等の人達が追い払ったのだろう。
人が居ない為に、やりやすいと思う。
「( よく今ので分かりますね )」
人が多いと、呪言師は上手く能力を発揮する事が出来ない。
周りにまで影響させてしまうからな。
「 しゃけ、いくら…( さて、どこから見ようかな )」
五条さんが、妃翠は呪霊の位置を特定出来て、人間がいれば助けると言ってたけど、
人間は避難させてるから居ないとして、
呪霊…分かるかな?
「 すじこ? 」
「 マー! 」
余裕で分かるみたい。