第5章 任務に同行
〜 五条 視点 〜
死体を再構築し、意思を持たせて動かす事ができ、
目的を果たさせれば解除するか…。
確かに、蟷螂の能力である鎌が使えるなら、大半の蟷螂が寄生されている針金虫を一緒に喰らってて、効果を使えても可笑しくはない。
操作されてる事の意識を持たせることなく動かせるのは、針金虫の能力である化学物質による思考麻痺。
本来は水場に活かせる為に使うものを、蜘蛛の糸で正確に操り、別の目的にさせても何ら不思議ではない。
「 でもさぁ、人間も見つける事が出来て、死体を持って帰るって意識が有るのはいい傾向だよね。ちゃんと敵を判断してる 」
「 そうですね 」
「 ちゃんと褒めなきゃ駄目だよー?あの時期の子供は、褒めて伸ばさなきゃ 」
敵であったなら厄介な相手だったのも確か。
七海と会ったばかりなら倒す事も苦無く出来ただろうが、今の様に戦闘を積んでいれば、いつかは強敵となっていたかも知れない。
人を殺し、仲間を殺し、それをもう一度操り人形のように動かし戦わせる。
メンタル面が弱い呪術師なら怯んで、その間に攻撃されて、殺されるだろうからさ。
一度死んだ者と認識して、もう一度殺す事が出来なければ、妃翠には勝てない。
「 やってますよ。貴方よりは、多少なりと扱いには慣れてきたので 」
「 さっすがママ。子育てが上手くなってきたんだね 」
「 後は言語ですかね。舌の使い方さえ分かれば早いと思いますが… 」
ごく普通にスルーされたんだけど…。
まぁ、七海らしいから態とらしく口元に指を当て笑う。
「 俺、舌使い上手いよ?覚えさせようか? 」
「 切り刻みますよ。後、警察署に連行します 」
「 冗談だって…。ロリには手を出さないよ 」
本気でキレた様な言い方に、やり過ぎたと反省しては、座っていた腰を上げ、窓際へと行く。
七海が見てる方へと顔を向ければ、1年生組と遊んでるのを見て、微笑ましい。
こうして話してる間も、ずっと見てるなんて七海は過保護だよね。
「 無知な子供だからこそ、命令しなければ動けない。それが少し気掛かりです 」
「 有能な警察犬とでも思ったら?きっと、すぐに理解するさ 」
「 そうだといいんですがね 」
知らない事が多過ぎる
そんな爆弾を抱えた呪霊だからこそ、
七海が世話をするのが妥当なんだよね