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【呪術廻戦】愛され少女は特級呪霊

第5章 任務に同行




地面へと着地すれば、ビル内では彼方此方から粉砕し、壊していく音が響く。
 
「 あ、あの女の子…凄い怪力で、変なやつと一緒に、壁を壊してたけど…なに者!? 」

「 私と同じ、そういったモノを倒す立場の者です。貴方、他にお仲間はいないですか? 」

一人で肝試しに入ってるとは思えず問えば、少年は青ざめた顔をして、地鳴りが響くビルの方を見上げた。

「 3人で…入ったけど…皆、急に居なくなって、最後に俺があの変なやつに捕まって、なんとか逃げたけど…翔太や健が…如何なったかなんて…分からない… 」

「 そうですか。生きていれば、さっきの子が助け出すと思いますが… 」

死んでいたのなら、先にこの少年の居場所に行く理由も分かる。
少なからず1階〜3階のフロアには他の生存者は居ないでしょう。
後は、死体でも持ってくるか…と考えていれば、急に静かになった建物から、4階のガラス窓が割れれば蜘蛛の糸は伸びて落ちてくる。

「 ヒィ!!なにあれ!! 」

「 少し黙って見ててください 」

外に出すまでは荒いが、地面に人型にグルグル巻にされた物が置かれれば、糸は途中で切れ、その後に妃翠は飛び降りて来た。
ふわりと音も無く地面に降り立てば、糸で巻かれた物を見てから、私の方を見上げ眉を下げた。

「 マー… 」

「 形あるだけ十分ですよ。持ってきて下さりありがとうございます 」

落ち込んでるのを見て近付き、頭を撫でればビルは崩壊を始めた。

「 解体作業の手間が省けていいんじゃないですかね 」

「 っ、これ…翔太や、健なのか…? 」

「 確認しますか?オススメはしませんが。貴方が生きてるだけ奇跡なんですよ 」

2つの人型へと近付き、膝を崩して泣き崩れる姿に、只見ているしか出来なかった。

「 俺だけ、助かっても…意味無いのに……うぅ、ごめん…なぁ!! 」

友を誘拐され、食われ、自分だけ生き返る。
呪霊によって骨すら残らず食われるよりマシだと思ってしまうぐらいには、この仕事は酷いものがある。
他の者に後片付けを任せるべく連絡を入れようとすれば、妃翠はそっと少年の肩に触れた後、糸の方へと指を向けた。

「 マーマ 」

「 ん、なに…? 」

見て、とばかりの様子に少年も気づき
視線を向ければ、密かに人型は動いた。

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