第5章 任務に同行
〜 七海 視点 〜
昼食も問題無く彼等と食べようで、少しだけ安心していた。
もし、食べずに探し回って来たら如何すれべきかと思っていたが、彼等との相性は良いようで此れからも任せていられるでしょう。
「 妃翠、帰りますよ 」
「 ママー! 」
午後からは彼等も任務が有る為に、今日はこれ以上一緒に居させる事が出来ない。
まるで幼稚園に迎えに来た保護者のように声を掛ければ、此方を振り返り嬉しそうな笑顔でやって来て腰へと抱き着く。
ぽんっと頭を撫でて、身体を下げ軽い胴体を抱き上げては片腕で太腿を支え、狗巻くんが持ってきたクーラーボックスを受け取る。
「 今日はありがとうございました。また明日からも連れて来ますし、任務に同行するようになると思いますが…妃翠を宜しくお願いします 」
「 しゃけ 」
「 おん!いつでも来いよ。クラスメートなんだし 」
「 妃翠と遊ぶのは楽しいからな。いつでも相手になるぞ 」
打ち解けるのが早くて助かる。
もし、特級呪霊だとして敵意を持たれたら妃翠の居場所はないでしょう。
どんなに心の中で受け切れない部分があろうとも、今のこの子には彼等の様に笑顔を向け、遊び相手がいる方が気持ち的にもいい。
表向きで十分、本気で仲良くなって下さいとは思わないので。
「 では、失礼します。妃翠、挨拶をしなさい 」
「 マー! 」
「 しゃけ 」
「 またなー! 」
挨拶は分かるようでひらっと片手を振った妃翠に彼等も笑顔で手を振り返した。
徐々にこうして人との距離感を縮めていけば、特級呪霊で有りながらこちら側になるでしょう。
゙ 俺はね。あの子に色んな事を学ばせて、他の呪術師となんら変わりなく育てたいんだよ。
その方がきっとこれからの為にもいいし、
特級呪霊という知能がある呪霊が味方になる可能性を秘めてると思う。だから任務もこなしてもらうよ。
まずは君と一緒にさ ゙
五条さんはそう言っていたが、特級呪霊とは言えど幼体の姿。
目の届かない場所で任務に行って貰う方が気が休まるんですがね。
゙ 因みに、妃翠の扱いは君の養女だから。そこんところヨロシクー。身分が無いと色々面倒だし ゙
未婚のまま、養女を得る…まぁいいですが。