第4章 恵と手合わせ
〜 じゅじゅプラス 伏黒 視点 〜
「 恵〜。不貞腐れてるねぇ〜。そんなに年下に負けたのが気に入らなかった? 」
「 別にそんな事は無いですよ 」
「 またまた〜。式神使いなんだから、式神を使ってたらちょっとは違ってたかもよ? 」
報告書を提出するだけで、何故…励まされてるのか分からない。
此処から見てたのなら知ってるだろうに、いちいち癇に障る人だ。
「 俺が、式神を使わなきゃ勝てないってことですか?拳だけで勝ってやりますよ 」
「 恵って、偶に熱が入るよね…。まぁ、程々にね…相手は特級呪霊なんだし 」
戦闘が勝てなければ、別の事で勝てばいい。
何も、あの殴り合いが全てな訳じゃない。
軽く頭を下げてからその場を離れ、先輩方の元にいるあの妃翠とか言う、呪霊の元へと行けば俺を見るなり両手を向けた。
「 マーマー!! 」
「 玉犬を出して欲しいんですか?別にいいですけど…玉犬、白 」
「 ワフっ! 」
「 マンマー! 」
調子狂うと思い、玉犬を抱き締める妃翠の姿を見ていれば、犬もまた尻尾を振る。
その様子を眺めていれば、日向の春の温もりと、餓鬼が疲れてるのに誘われ、気付けば一緒に玉犬を枕に眠っていた。
「 恵も、まだまだ子供だよなー 」
「 いや、妃翠が柔らかい雰囲気を持ってるから恵も気を休めて眠れるんだぜ。あんな手合わせした後なのに仲直りするなんて、妃翠は凄いなぁー 」
「 しゃけ 」
「 恵と妃翠可愛いんだけど!!写メろ!! 」
この人達は、本気で寝てると思ってるのだろうか…。
特に五条さんの連写する音で目を覚ましたが、起きれば色々五月蝿いと思い、もう少し寝たフリを決め込んだ。
勝負またの機会でも構わない。
だが、その時は負ける訳にはいかない…。
年上として…!
「 マンマン! 」
「 ワンワンな。マンマンってなんだ。後、寝癖ついてますよ。櫛あるので… 」
「「( 恵…それ、犬用ブラシじゃない? )」」
玉犬と一緒に、櫛で梳けばサラサラの髪は更に綺麗になっていた。
なんだ、髪質はどこか犬寄りなんだな。
「 寝てたから…お日様の匂いがするな… 」
「 マー! 」
本気で嫌う事の出来ない部分が、この子供には有るのだろうな…。