第4章 恵と手合わせ
〜 五条 視点 〜
「 七海〜、見てた?あの子、領域展開出そうとしたよ。それも蠱毒らしい…蟲地獄。人間が一番拷問の時に精神的なダメージくるやつだよ〜 」
「 そうですね 」
恵は大人しいように見えて血の気が多い。
特に自分より幼い子が上の学年になった事が気に入らないから、手合わせをして実力を測ろうとしたんだろうけど…
今回は、特級呪霊を甘く見た結果かな。
反省を活かして、鍛錬に励んで欲しいよ。
其れよりも、生まれたばかりだと言うのに領域展開を出せるぐらいの呪力量ってことは、
相当あの姿になる迄に大量の呪霊を喰ったか、怨みや憎しみによる呪いを受けていたか…
いや、この場合は両者だな。
怨みを受けながら、集まる呪霊を喰らっていた。
只、外に出る事を目的にしながら…。
相当、飼い主に会いたかったのだろう。
「 連れないねぇ。自分の娘が頑張ってるんだよ?俺の時みたいに助けたりしないの? 」
「 貴方と違って彼等は手加減を知ってますので。それに必要ないでしょ 」
「 俺もかなーり手加減してたんだけどなー 」
手加減と言うより、調べる為には多少傷付けるしか出来なかった。
俺の戦闘があり、恵との戦闘で洞察力、反射速度を改良したのだろう。
あの時にはしなかった、バッタのような瞬発力が格段に増え、カブトムシのような腕力も使えるようになっていた。
毒以外の戦闘方法を学んだ辺り、あの子はもっと成長する。
「 それはそうと、あんなに動けるなら任務に連れて行っていいよね?折角のクラスメートなんだし、任務を成功させ絆を結ばなきゃ 」
「 暴走したら如何するのですか? 」
「 大丈夫だって、ウチの1年生は有能だから 」
まだ棘が止めれるなら問題はない。
暴走する前に、しっかりとした首輪を着けて守るべき者を学ばせていれば、妃翠は憂太のように強い味方になるだろうし。
「 さて、お昼ご飯にしよー!皆も食べるかな 」
「 相手は特級呪霊…お忘れ無く 」
「 フフッ、七海の子供でもあるでしょ 」
忘れ掛けてるのは君の方じゃないか、七海。