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【呪術廻戦】愛され少女は特級呪霊

第4章 恵と手合わせ




自分より小さい餓鬼に、やられっ放しは気に入らない。

顔は殴る気はしないが、身体なら良いかと蹴りを入れようとするも硬いムカデの尻尾に防がれ、攻撃は届かなかった。
こんな時に盾を瞬時に装備出来る相手は羨ましいと思うが、こんな事も出来るって方が驚きだ。

接近戦だと防がれ、距離が離れるとその分の攻撃がある。

「( この子供…強い )」

五条さん相手に戦闘が出来たって聞いて半信半疑だったが、強ち嘘では無いように思える。
俺の呼吸は乱れてるのに対し、この子供は何食わぬ顔で立っている。
2本に増えたムカデの尾の先端から垂れる毒は、地面に落ちる度に、砂が溶けていく。
酸性に近い毒だろうが、あれを使わずこの状態か…

さて、どうするか…
 
鵺を出したところで破壊されるのが目に見えてる為に、仕方無いと息を吐いていれば、少女は両手を動かし蝶の様な影絵を作り出した。

「 マー……( 領域展開 )」

「 まずい、恵!!其処から離れろ!! 」

禪院先輩の言葉に咄嗟に後ろに下がるが、子供の足元から影の様な暗闇が広がり、地面から這いずる様に動く数えられない毒虫に目を見開く。

この幼さで領域展開が使えるのか!?
不完全のようには見えるが、諸に食らいたく無い攻撃だと思っていれば、目の前に狗巻先輩が現れた。

口を隠していたファスナーを下げ、子供に向かって声を放つ。

「 止まれ!! 」

「 !! 」

作り出すのが遅い領域展開だった為に、子供はピタリと足が止まれば、無数の毒虫は姿を消した。

「 ケホッ…ケホッ 」

「 棘!恵!大丈夫か? 」

「 しゃけ 」

「 あ、はい…俺は大丈夫です。狗巻先輩、止めたくださりありがとうございます 」

足を止めるだけで、狗巻先輩が咳き込む程の相手なのか。
禪院先輩が駆け寄って来て、パンダ先輩は子供の前へと行く。

「 妃翠、もう手合わせは終わりだぞ。疲れただろ? 」

「 マー! 」

不完全とはいえ、領域展開を使おうとしてケロッとしてるなんて…バケモノかよ。

「 恵もやり過ぎだ。つーても、妃翠と手合わせ楽しそうだし、此れからは一緒にやるかな 」

「 しゃけ 」

あの瞬間の呪力を気にする事なく話を進める彼等に呆れを通り越して感心する。
俺はまだ、領域展開すら出せないっていうのに……。


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