第4章 恵と手合わせ
特級呪霊なら、呪力を込め下手したら玉犬を破壊されるかもしれない。
手合わせの際に破壊されるなんて、されたくは無い為に解除し、消せば拳を握る。
「 五条さんとやったのなら、俺とも出来ますよね? 」
「 マー? 」
「 しゃけしゃけ 」
「 マァマァ! 」
狗巻先輩が何かを言った事で手合わせだと理解したのか、少女はぱっと明るく顔をした後に、左右の手を動かし、その場で跳ね始めた。
「 えっと、じゃー審判は私がするな。恵対妃翠。よーい始め!! 」
どんな能力は分からないが、取り敢えず向かって来るのを待てば、少女は尋常じゃない足のバネを使い思いっきり上空へと跳んだ。
「 え…… 」
「 バッタとかじゃないか? 」
キョトンとしてしまった俺に、冷静にパンダ先輩は分析するが、そうか…姿を変えなくても能力が使えるんだと察して、落ちてくるところを狙おうとすれば、少女は拳を握り締めた。
「 っ!! 」
あの落下した速度で殴られたらたまったもんじゃないと思い、後ろへと咄嗟に下がれば地面へと殴った瞬間、グラウンドが地鳴りをし、地面は大きく穴が出来て亀裂が走る。
「 はぁ……? 」
「 こりゃ、悟と手合わせして、戦闘の経験値上がったな。確実に狙ってきた 」
いや、あの小さな身体にどこにそんな馬鹿力が有るんだと驚く俺を他所に、禪院先輩方は笑ってるが、こういうやつだったのか!?
「 マー! 」
「 っ!! 」
離れた俺を見た少女は、あの足のバネを使い一気に一色線でジャンプしこっちに距離を縮めた。
拳を完全に受け止めると骨がイカれると察して避ける事に意識を向けるが、地面に着地した後の瞬発力は速い。
「 恵が防戦一方なんて、やるなぁ 」
「 ちゃんと毒を使わないって認識してる辺り、人間には危害加えないみたいだな。安心したぜ 」
「 しゃけ 」
五条さんには毒を使ったのか。
この状況で毒を使われると避けきれるか分からないと思い、ふっと真後ろに現れた少女に目を見開けば、拳ではなく口を開いた。
「 マァァァァア!!! 」
「 っ!!( 呪言!? )」
まるで狗巻先輩がやる、呪言のように打撃が当たったように俺の身体は飛び、地面へと叩き付けられ、転がった。
「 っ……そっちがその気なら、本気出します 」
頭が痛むが動けない訳じゃない