第4章 恵と手合わせ
〜 伏黒 視点 〜
高等には中等部の頃から世話になってる。
まぁ、理由は五条さんのせいなんだが…。
何かあればコキ使われ任務を頼まれ、義務教育をいい事に学校がある日だろうと気にもせず、言ってくる。
今更過ぎて如何でもいいが……。
「( 彼奴、誰だ? )」
報告書を持ってきたが、入る前に狗巻先輩方と一緒にいる薄い緑色の髪をした、幼い餓鬼に誰かの親戚か?と思うが、聞いた事もない。
それに彼等と同じ制服を着てる為に、あの容姿で高等部1年なのか?と疑問を持ち、話を聞く為に近付く。
「 禪院先輩、その子…誰ですか? 」
「 おっ、恵じゃないかー!この子はなぁ、七海さんの隠し子だぜ 」
「 はぃ? 」
「 七海のモンペ具合と言えば凄いんだぜ。ママを間違えただけで飛んで来るぐらいな 」
「 しゃけ 」
聞いたのが間違いなぐらい、絶対に隠し子じゃ無いと思う。
だが、大切にしてるようなのは察した為にまた呪霊に関する事で、行き場でも失った子供なんだろうとは思った。
「 マンマァー? 」
身体に不似合いの黒い指定の制服。
襟にある呪術師としてのボタン。
12歳前後の容姿で呪術師なのか?と見下げていれば、髪色とよく似た翡翠色の目を向け見上げて来た後に、子供は狗巻先輩の方へと行く。
「 ママー? 」
「 おかか 」
「 話が分かるんですか… 」
「 棘と妃翠は会話できるみたいだぜ。私等は覚えようとしてる最中な。折角のクラスメートだし 」
「 そうそう、何でも理解しようって気持ちが大事だよな 」
妃翠と呼ばれている少女。
いや、聞捨てならない言葉に眉は寄る。
「 高等部…1年なんですか? 」
「 そうだぜ。悟がそう決めたんだからこっちも受け入れるだけだろ。飛び級ってやつさ 」
「 まだランクまでは決まってないけど、任務に行き始めれば決まるさ 」
嗚呼、あの人が関わってるなら納得する。
というからこのメンバー…パンダといい、頭に触覚を持つ餓鬼といい、乙骨先輩といい、珍獣しかいなくないか。
まともな人…いないか。
「 まぁいい。俺は伏黒恵だ。宜しくな 」
「 ンマー! 」
挨拶はしとこうと言えば、
笑った笑顔は少しだけ呪術師とは思えない明るさがあった。
このメンツなら、そんな顔にもなるか。