第2章 甘えん坊の特級呪霊
3時間程度の乗車時間を終え、そこからはタクシーで高等の近くまで行き、残りは徒歩で帰る。
「 他の報告があるのでこれで 」
「 えぇ、お疲れ様でした 」
補助監督の者と離れれば、高等の中へと入る。
校舎を進んでいけば、ふっと聞こえてきた声に脚を向けた。
「 どうした?訛ってんじゃねぇか? 」
「 うるせぇー!!そんな事はない! 」
「 シャケ 」
この春に入ったばかりの1年生組を見掛ければ、丁度いいと思い近付く。
「 おはようございます。鍛錬ですか? 」
「 おっ、七海さん。おはよう! 」
先にパンダの姿をした、パンダが顔を向ければ長い深緑色の髪をした禪院真希はその隙をついて、棍棒でパンダをぶっ叩いた。
「 グハッ!!ま、真希…今は反則だって 」
「 余所見した方が悪いんだよ! 」
何気無く狗巻くんは判定の札を上げてる為に、今のはセーフなのでしょう。
狗巻くんは左右の指を向ける。
「 ツナツナ 」
「 ん?なんだ、って…その子誰!? 」
「 まさか…七海さんの隠し子!? 」
「 すじこ!? 」
よく狗巻くんの言葉で言ってる事は分かりますね、と感心がありますが……。
流石に最後の意味は理解しましたよ。
「 違います。私は五条さんと話してくるので、少しこの子をみててくれませんか? 」
「 なんだー違うのか。子守りか?いいぞ、パンダだからな、子供には大人気さ 」
両手を広げたパンダに、少女の興味も向いた為にこれなら大丈夫そうだと思い、近くに行き彼等の前へと下ろす。
不安そうに見上げて来る少女の頭に触れ、彼等へと視線をやる。
「 私は少しお話してきます。貴女は此処にいて下さい。良いですか、また着いてきては行けませんよ 」
「 んー? 」
「 では、頼みます 」
大丈夫そうだと思い、頭から手を離し背中を向けて歩けば、密かな重みと共に首が締まる。
「 マーマー!! 」
「 だから、私はママではないんです!離しなさい! 」
「 棘、見るなよ…あの子、パンツ履いてねぇから… 」
「 シャケ 」
「 七海さんは、ロリコンってやつ? 」
「「 ……… 」」
「 断じて違いますから! 」
パンツは嫌がって履きたがらなかっただけで、
買ってますから!
そんな冷めた目を向けないでください。