第2章 甘えん坊の特級呪霊
食べ終え、手を洗わせた後にその場を片付け寝室へと入った。
離れる様子はまったくないし、ベッドから蹴り飛ばす気も起きないぐらい精神疲れをした為に放置した。
布団の中で胸元に擦り寄って、身を丸めて眠る様子は呪霊には思えないぐらい、少女の寝顔だ。
小さな規則正しい寝息を立て、眠る姿を見てから、自分もまた眠りに付く。
只、体温は人間より低いと思う。
「 七海さん…、やっぱりその子、高等に連れて帰るんですか 」
「 そうするしかないでしょ。離れませんし 」
朝起きてたら何処かにいなくなる。
そう期待してたが、普通に存在して、共に朝ご飯を食って、新幹線で帰る為に待ち合わせ場所で補助監督と合流した。
「 まぁ、そう言うのでしたら…連れて帰りましょう 」
「 子供料金ぐらい私が払いますので、さっさと戻りましょう 」
「 あ、はい 」
往復のチケットは持っていたが、子供分は無かった為に仕方なく追加で購入して、新幹線の来るホームへと行く。
珍しい髪色と目をしてる為に、色んな人が見るが本人は大勢の人に驚いて、肩口に顔を埋めたまま引っ掴まっていた。
その方が都合がいい為に、放置し、新幹線が来れば予約していた席に座る。
窓際に少女を乗せれば、外へと指を向ける。
「 こっちを見ていなさい。色んな景色が見えますので 」
速くて見えないかもしれないが、私の方を向かれてるよりいい。
少女の視線が外へと行けば、新幹線は進み始めた。
「 おー…! 」
流石、何も外の世界を知らないだけある。
感心や驚きが交じる声を漏らし、外を眺めるのを見てると無知な少女のようだ。
特級呪霊……。
そう、五条さんに、報告したが如何なるかは彼次第でしょう。
「 お弁当は如何ですか? 」
「 マーマ! 」
「 野菜多めの弁当があればそれで 」
「 では、此方をどうぞ 」
サラダを持って入るが、販売してるほうが気になるのは子供心か…。
仕方なく購入し、弁当を開き葉野菜を箸で摘み口へと運ぶ。
「 アー、ンッ! 」
「 美味しいですか?まだ、サラダの方がいいでしょうに… 」
野菜多めと言った割に、葉野菜は入ってなかった為にすぐにサラダの方を出す事になった。
朝ご飯食べたばかりだが、弁当を腹に詰めることになるとは…。