第9章 千をこえた古はかれ不、磨かれる
次々とテーブルに現れる料理たちに目をキラキラと輝かせる虎杖くん。
「おー!すっげぇ!これが針さんの術式?」
「そうね、こういう風に日常的に使うのは便利なんだけどね。…まぁ戦闘だと勉強と一緒であんまり役に立たないわよ。」
雑多に並んでいる料理たちを手際良く並べ直し、炊飯器からご飯をよそう。…育ち盛りの男の子ってどのくらい食べるのかしら?棘と同じ量だと虎杖くんにはちょっと少ないかな?
茶碗より少しだけ高く盛ったご飯を虎杖くんに渡す。ご飯を受け取った彼はいただきます、と手を合わせて食事を始める。ご飯に夢中になっていた虎杖くんだったが、ふと何かを思い出したかのように口に含んでいたものを飲み込んでからこちらに話しかけてきた。
「あっ、そうだ。さっきの話の続きしていい?針さんが勉強できたっつー話。あんまり呪術師で勉強できる人のイメージなかったからさ。単純に気になるっていうか。」
昔の話か…。正直言ってあの頃は自分に自惚れていた気がする。あくまで私が生きていく場所は呪術界なのに勉強ができるってだけで一般科で褒められていい気になって…。
だから初対面の五条先生にもあんな生意気な態度取ってたんだわ。
自分の黒歴史故に少しだけ話すか躊躇ったが、まぁ大雑把に説明すれば問題ないだろうと私は自分の昔話を虎杖くんに話し始める。