第10章 変化
残穢を追ってきた先のビル屋上では呪霊がいた。
なんかこの呪霊……違うな
呪霊はそうなのだが何か気配が違う気がした
「おべおべんとぅー」
お弁当?呪霊の言葉はあまり聞き取れない
ダッ
「ストップ」
私と悠仁が動こうとすると七海さんは止めてきた
「こちらは私が片付けます。虎杖君と如月さんはそちらの呪霊を。勝てないと判断したら呼んでください。」
後ろの影にはもう2体の呪霊がいた。
全然気づけなかった今日はやばいかもしれない。
「ちょっとなめすぎじゃない?俺と結花のこと。」
その通り。なめすぎだ。いくらか特訓して強くなった…はずだもん
「私は大人で君達は子供。自分より優先する義務があります」
そう言って七海さんは七海さん自身の術式について教えてくれた
7:3
というのが術式らしい。
あっという間に呪霊は祓われてしまった。
私だって。
目を閉じて呪力の加減をつけ、呪霊を引き裂いた。
悠仁も祓い終わったみたい。
でもやっぱり呪霊を祓った感覚がしない。
七海さんも違和感を感じたみたいだった
「2人とも。落ち着いて聞いて下さい。私達が戦っていたのは」
「人間だよ。」
硝子さんが電話越しで話したのが聞こえた
死因は呪霊へ改造されたことによるショック死らしい。
「お前らが殺したんじゃない。そこら辺履き違えるなよ。」
それでもこの人達は……
『趣味が悪すぎるだろ』
悠仁と声が被った。
まだ生きていた人をこんな形で殺めるなんて有り得ない